伏臥位、肩甲下部へのこだわり
浪越徳治郎先生手ずから教わり、又、門間英雄先生はじめ多くの先輩の先生方からも教わり、自
らも治療をしながら、基本指圧を教えてきました。
そうするうちにハタと気づきました。これだったんだと。浪越の基本指圧は前頚部に始まり、腹部に
終わる全身の指圧法であり、その全てが基本であると教わってきました。
これでは迷ったときに帰るべき基本の場がありません。そのため、何度となく迷いに迷い、結局は
うやむやのまま時が経っていきました。これでは真の解決には結びつきません。そこで到達したの
が、伏臥位の肩甲下部が基本の中の基本であるということ。肩甲下部の圧し方で全身が圧せると
いうことでした。これで基本指圧がより鮮明になってきました。
基本指圧へのこだわり
浪越徳治郎先生が臨床の中から重要な指圧点を選び出し、集大成したものが基本指圧です。
従って基本指圧即臨床指圧として通用します。ただ、これまで順序、点数、回数にこだわり過ぎたた
め、順序、点数、回数そのものが基本指圧であると誤認されてきました。順序、点数、回数は基本を
覚えるための手段に過ぎません。一点一点の圧し方が重要です。それも伏臥位の肩甲下部の圧し
方で圧すことが重要です。
それに加えて受けるほうの姿勢も重要です。姿勢に無理があると筋肉に異常硬結が見受けられます。
姿勢が悪い為の筋の緊張とコリとの違いがわかることも重要です。
姿勢が悪い為の筋の緊張はいくら指圧をしても痛いだけで弛みません。姿勢を正せばすぐに弛みま
す。
臨床の場では基本指圧こそが最良です。効率よく誰にでも合わせられます。
基本指圧で効果が出せなければ、ある、特定の人の特別な治療法となってしまいます。
修得さえすれば、誰がやっても同じような効果が出せる。そうでなければ、世の中、特に医学会で通
用しません。
指づくり
指づくりとは単に指を鍛えることではない。指圧に適した指を作ると同時に指の感触、感覚を高める
ことである。圧している自分の母指で圧の方向、圧の深さがわかるだけでなく、受け方の反応までも
がわかるようになることである。トイレじゃないんだから、いつまでも「入ってますか」と聞かなくてもわ
かることが大切である。
具体的には先ず正座する。足の母指は軽く重ねるかそろえる、重ねる場合は右母指が上でも下でも
どちらでもよい。自分の楽な方でよい。膝は拳ひとつ分位開くほうが楽に動ける。脊柱を伸ばし、顔
は正面を向く。体幹の横に下げておく。
※対立位=母指の指紋部を薬指の指紋部に合わせる。これが楽に出来る様にならなければならない。
間違っても薬指の指紋部を母指の指紋部に合わせないこと。あくまでも母指が動くということ。
何が問題かというと母指球の柔軟性(弾力性)である。この柔軟性がないと楽に体重を支えきれない。
母指の指紋部を薬指の指紋部に合わせたままの形で指を開けば、母指と四指との理想的な対立位と
なる。
四指先は真横を向く。肩からの力を抜き、上体を静かに四指の方へ倒してこの時の倒し初めの速さ
は新幹線の発車の要領と同じく“いつの間にか静かに出ている”そんな感じで倒していく。頭だけ、
あるいは肩だけでなく上体が一体となって動くことが大切である。
ただし大腿部は動いてはいけない。大腿部を動かさないで腰を倒すためには肩からの力を抜き、手
掌を上に軽く重ね(指はのばしたまま)大腿部の上、腹部の前あたりにおき、静かにゆっくり腰椎から
側屈をする練習をするとよい。腰部から上が一体となって動くこと。片側へ倒し
たらゆっくり戻し、次に反対側も同じようにゆっくりやる。この練習を繰り返すことで、
手をついても同じように出来るようになる。この動きが出来るようになると、たとえば、横臥位の肩甲間部
の流動圧法、あるいは伏臥位の肩甲上部等が楽に圧せるようになる。
腰の動きが同じだからである。肩は水平移動すること。(水平移動しようと思わないこと。結果として水平移動していることが大切。)手をついた段階で肩が下がるようなら、上肢が短いということで、電話帳でもなんでもよいから適度の高さのものをおき、そこへ手をつく様にするとよい。逆に肩が上がってしまうようなら、上肢が長いということで、座布団の上に座って高さを調節するとよい。全ての指について指節間関節は過伸展、中手指節関節は屈曲した状態で支えることが大切である。この状態で、肩からの力が抜けて静かに上体を倒せば、(倒しきった処でしばらく持続)、肩甲下部が圧せるようになる。
苦手の人は先ず、母指だけ、少しでもよいから中手指節関節を屈曲し(指でさすってコツンとぶつかる程度でも可)して練習すること。
甘手の人は母指の基節骨が垂直の状態を維持することが大切である。最終的には、全ての指の指
節間関節が過伸展、中手指節関節が屈曲した状態で指作りが出来ることが大切である。ただし、肩
甲下部を圧す時は圧している方の四指の中手指節関節は伸展すること。屈曲したままだと力が抜け
ない。指作りが出来ていれば四指は力を入れなくても密着して支えられる。
四指が流れないですむ。四指の中手指節関節を伸展しても四指の付け根の手掌部分が紙一枚分
だけ浮いているから母指に圧が入ってくる。これが指作りの成果である。母指については中手指節
関節が屈曲、指節間関節が過伸展で指紋部中心で圧せるようになること。
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スクワット -指圧用の特別なもの-
立位で肩幅より少し広く足を開き、指先は外へ向ける。
両手はダラリと下げ、上体は垂直に保ち、両膝を足指に向けて腰を落としてゆき、大腿前側面が
水平になる位まで(一度に無理はしない)いったら、一旦止める。このとき踵は床に密着。少しづ
つ戻しては止める。これを2,3回繰り返す。慣れるまでは確かな柱等動かないものを背にして
やると安心できる。(柱との距離はすれすれ位で)
毎日やることで、指圧の動きが楽に出来るようになる。
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伏臥位肩甲下部の圧し方
伏臥位肩甲下部の圧し方(肩甲下部左側で説明する)
右膝をつき左膝を立てる。指圧点に右母指を置く。それによって、右膝のつく位置が決まってくる。(右上肢の力の抜ける楽な状態になる処)
右大腿部を垂直の状態に保てば、左足を置く位置が決まってくる。
(一番楽な処、一番無理のない安定した処)それから左母指を肩からの力を抜いて重ねる。ここまでは圧し方の上体は受け方の背柱に平行の
状態を保つ。手指を重ねてから顔を右母指のほうへ静かに向ける。(上体も同時に向いている。)
腰の動き・・・実は膝を起点として動くため、膝関節の動きが中心となる。膝関節は蝶番関節のため、下腿の向きがそのまま膝関節の動きになる。その動きには角度的にかなりの幅がある。
圧す前は右膝に重心の大半がある。したがって、右大腿部の中心が右母指に向かっての膝関節の動きで、重心の移動が可能となる。
力を抜いたまま圧の入る姿勢である。左足先は外へ向く。解剖学、生理学の上からも実証できる自然な姿勢である。自然だからこそ
その動きに無理な力を必要としない。すなわち力を抜いて圧す指圧ができるのである。圧し方も力に頼らないから楽に圧せてあまり疲れない。
そして、普通に歩ける状態であれば、亡くなる前日までも指圧ができる。受け方としては、当たりが柔らかな感触で、しかも圧は深部にまで達してくる。
気楽に受けられて楽になる。病人に対する治療はこれでなければ対応できにくい。痛い程圧してほしい人以外は対応できる。
受け方の体格、体型、体調に合わせて圧せなければ、即臨床には向かない。その為には圧している母指の感触、感覚、腰の動き・・・それを小脳レベルで
(頭でなく体で)理解できることが大切である。
基本指圧の中で、何故、伏臥位の肩甲下部が基本となるのか?
永年教えてきて分かり得た結論である。圧している母指の感触、腰の動きを体で理解できれば、ほかの部位にも同じように圧せる。とはいえ、それぞれの部位にあわせて圧すほうの姿勢も変わっていく。それらも全てが指で教えてくれる。伏臥位の肩甲下部が全ての基本となる。それ故に肩甲下部の修得は難しい。だからといって「これくらいでいいか」とか「こんなもんでいいか」といった妥協は許されない。確実にこなせるまで修練しなければならない。将来壁にぶつかったら、指づくり、スクワット、伏臥位の肩甲下部に戻ることで解決できる。 >>>詳しい写真はコチラ
畳へのこだわり
日本の伝統的文化として指圧と畳があります。畳にフトン、
この方式が指圧に最もふさわしいと思われます。
膝を痛めることも少なく、安定した指圧が出来る。力が抜け
て圧せるようになります。受ける方もフトンから手足がはみ
だしても恐怖感を覚えません。
主に足腰の不自由な方のためだけでなく、マッサージ用の
治療台を使うケースが増えてきています。
受ける方の寝起きは楽ですが、基本指圧をするにはいろい
ろ無理が出てきます。
そこでこの度、指圧用の治療台を設置いたしました。これですと、受ける方も腰掛けて楽に寝られ、
腰掛けてから楽に立ち上がれることが出来ます。
圧すほうは畳の上で指圧するのと同じく治療台に乗って指圧することが出来ます。
03-5261-1876